ビューティーアドバイザーに
なるには？
実際の体験談

結婚前は、百貨店内で専属のビューティーアドバイザーとして働き、その後オーガニックエステサロンでエステシャンとして、カウンセリング業務、接客販売、PR業務、新人教育を行うなどしていました。当時20代。仕事にやりがいは感じていながらも、同時にプレッシャーやストレスと常に闘っていました。プライベートでは遠距離恋愛で(後に結婚した夫です)、それもまた忍耐。

ですが、いつも周囲の人たちに支えられていたなと感謝しています。そんな紆余曲折を経て、ついに結婚。結婚したら夫と一緒に暮らすために、住み慣れた故郷も離れないといけない。私としては、清水の舞台から飛びおりる程の覚悟でした。ただ、心のどこかで、結婚して主婦になっても、いつかまた美容の仕事に復帰したいな……という思いはありました。

結婚を機に遠方に引っ越し。家族や友人に会えない寂しさ、環境のギャップに、初めてホームシックを経験しました(苦笑)。
そんなとき。ふと、尊敬する祖母の教え「結婚しても、人ばかりに甘えないで自立すること、学ぶことを怠たないこと」という言葉が頭をよぎりました。この寂しい感情を自ら好転しなければ！と決心し、外に出るために一般企業へ勤め始めました。でも、飛び出した新しい環境にも心の中で違和感を感じ、がむしゃらに働くうちに身体も壊してしまい、自分自身を今一度見つめなおすキッカケに……。
「だったら自分らしく、居心地の良い空間を作りたい！」と、独立を決意したんです。

結婚半年の頃、やっぱり大好きな美容の仕事をしたい！という気持ちが抑えられなくなっていました。でもそれは自分だけのわがままな思いだという罪悪感もあり……。恐る恐る家族に相談してみました。熱心に話す私の思いが伝わり、OKをもらうことに成功。「独立するためには中途半端に手をつけて無責任に放り出すような終わりにしたくない」と、一度は離れた美容の仕事の技術や知識をさらに深める為に、専門学校への入学を決めました。
だから資格の勉強をしていた当時は、家事と仕事の両立に加え、学校のある福岡と長崎まで高速バスで通学しながら、合間に独学で資格取得の勉強に励むという、時間がいくらあっても足りない！というてんてこまい状態でした(笑)。

家事や仕事のない隙間時間に勉強をするため、夜更かしすることも多かったですね。でも、今振り返ってみれば、悩んで辛かった時も含めて、悩める選択肢がある事は、贅沢で幸せな時間だったと思えます。
資格取得までの道のりは、独身の頃とちがって、いろんなことをこなしながら勉強する必要があるため、ハードな面もありました。それでも家庭に入ってからでも再び好きな分野で学べる喜びと、弱音を吐く間があるくらいなら、夢の実現に向けて邁進するほうを取りました。前に進んでいると感じられれば感じられるほど、夢もどんどん膨らんでいくのがとても楽しかった。
嬉しいことに、夫も家事に協力的になりました。今では夫婦で料理が好きになり、お互い良い刺激を与えられる関係に♪

学校を無事修了して、念願の資格も取得。深い知識と技術に自信がついた頃、長崎の自宅でサロンを開業しよう……と動いていた矢先、急な転勤で関東地区へ引っ越すことに。

関東に移り、改めてサロン開業に移るも、再び人脈ゼロからのスタート。時折都会での厳しさを痛感しながらも、積極的に行動しないと、誰一人私の活動や思いや人柄も伝わらない！と気持ちは前向きでした。
これまでの私は、消極的で、恐がりな人間でした。でも、色々な見えない壁と戦う中で、実はとても恵まれていて、周囲に支えられていたんだと気づきました。だからこそ、未来を信じて積極的に行動していく事が、より夢の実現や成長につながっていくと思えたんです。

まずは自分自身が営業マンのように動き、企業様や人様へPRに努めました。 自ら沢山の人と交流していく過程で、有難いことに人とのご縁はどんどん繋がっていき、お客様も増えていきました。さらに「主婦」という肩書も役立って、“兼業主婦”の美容部門代表として、雑誌や新聞での出演や企画、講演の依頼まで、ぐんぐん仕事の幅も広がっていきました。

ビューティーアドバイザーとして、美容の役立つ知識や技術を伝えることができる、という喜びはもちろんあります。ですがそれ以上に、自分自身がこれまで学んできた経験……、酸いも甘いもいろんな痛みが分かるからこそ、お客様と共有する一期一会の時間を大切にしたいと思っています。
特にいつも感激することは、「神所先生の元で勉強したいです！」と、国内外、幅広い世代のお客様が、熱い思いでお越しくださること。それが何より嬉しいです。

独立って華々しく感じられるかもしれませんが、一人前になるまでは……正直甘くはなかったです。お金を頂ける何かを人に提供するって、すごく大変なこと。最初の頃は材料費のみの代金で施術をしたり、技術力向上の為に外部でのボランティア活動にも励み、時にはアルバイトもしていました。起業から1年を過ぎた頃、ようやく安定した報酬を頂けるようになりました。

様々な障壁を経て、今があります。だからお客様や生徒様には、自身の経験をもとに、親身に寄り添って悩みを解決したり、サポートができるよう、日々努めています。
現在サロンでは、育児中のお母様や通勤通学で忙しい方でも安心して通えるように、レンタルスペースを開放しました。振替制度、託児スペース、実践練習したいときにすぐに取り掛かることもできますし、憩いの場としても活用いただけるように、と……。
年齢を重ねても、これからも元気に楽しく今の活動ができるよう、努めていきたいです！